2008年04月18日
「穴水発、能登ワインの畑」から月例リポート/4月その2
〜マダム櫻子がお送りする「穴水発、能登ワインの畑」4月編の始まり〜
4月11日(金)
昨日の雨風も収まり、ともかく晴れ。午前10:00過ぎに七尾を出ておけいさんの運転する車で穴水へ。
昨年の11月におけいさん達と自主見学に行ったとき、あろうことか2回も3回も道を間違え、中居のヨットハーバーや、女良浜なんぞとてものどかな風景を楽しませてもらいましたが、今回は時間に制限もあり、かつての記憶とナビを頼りに1時間10分ほどで到着。
七尾より北で、しかも小高い丘の道なりの桜は満開二〜三歩手前。しかも今日は寒いこと。

畑の休憩小屋に豊田さんは待っておられ、畑へと案内していただだいた。
3月の能登鉄道さんのワイン列車でご案内いただいて以来ですが、3月の方があたたかかったような気がする。いやはや寒かったなぁ〜。
私は畑・戸外・寒いを想定して冬支度。意外に豊田さんも事務所の川端さんも見た目薄着。さぞや凍える思いでおいでだったのでしょうねぇ〜。
途中肉厚のマダムとしては、豊田さんと話しているときには、さり気なく風よけになるように風上に立っていたのですが効果はあったのかなぁ〜(笑)
昨年の4月の今頃にフランスのボルドーに行ってきたので、実感としてこの畑の植物としての営みの遅いことに目が点(まだこんな?これが普通?ボルドーが変?異常?)
ようやく枝・枯れ枝にプクリと新芽がのぞき出し、うす赤く、またはオレンジ色に色づきだした。とにかく新しい生命のサイクルを始めたぞ!と、いう状態。
ボルドーではあたたかすぎて(毎日27度あって持ってった服が間に合わなかった)生育がびっくりするほど早くもうぶどうの花が開くかと思われる状態。一ヶ月は先行していたと思う。ボルドーはボルドーで抱えている問題はとても大きいと思う。異常気象にさらされた時のダメージが、日本よりはるかに大きくなるからだ。

豊田さんにお訊ねすると、
「この畑、この4月ではこんなもんや。もう少し気温が落ち着いてくると、ある日突然この小さな丸っこい新芽がパカッと、割れて葉っぱが出現する。そしてどんどんあれよあれよと、葉っぱが大きくなりツルが出て、樹が生き生きしてくる」
とのこと。↓この可愛いのがパカっと開くのが見たい!見たい!

今月一番のヤマは、月末の大型連休の初日あたりに襲ってくる、寒波・遅霜。
昨年は、ツバイゲルトレーヴェ畑がやられ全滅。自然相手の恐怖はとにかくスケールがでかい!
話し合って通じる相手ではなく、人間の力では防ぎようがない。霜は下から(地面から)音もなく、文字とおり、地を這うようにしてぶどう畑に迫ってくる。
晴天、雲なし(天井がない)、風なし、この3つが重なっての夜間の放射冷却による凍害なのだ。空から災いが降ってくるのではなく、災いは下から迫ってくる。
現代の気象予報のレベルはとても高く、異常気象に関してはいち早く報知される。が、わずかな時間の狂いもあるらしく、昨年は霜の警報が出ていたにもかかわらず、迎えうつ体制が整う前に襲われた。

霜にやられると、せっかくの新芽も葉っぱも何もかもがポロリと枝から落ち、元の枯れ枝に戻ってしまう。
生命の危機を感じたぶどうは、凍り付いて落ちてしまった芽のすぐ横から二番手の芽をのぞかせすくすくと育てるが、哀れ二番手は、葉もツルも立派に出てのびやかな若枝に成長するが、花が咲くことはなく、もちろんぶどうは一房も取れない。
では、何のために実りをもたらさないこの若枝を育てるのか!それは、来年の準備のために他ならない。今年はあきらめ、来年のぶどうのためのベースとするべく育て上げるのだ。(剪定のためにね)
異常気象は霜・冷害だけではない。突如襲ってくるヒョウ!これもまたぶどうを全滅させる威力を持っている。

2002年にイタリアに行ったとき、ピエモンテの山の方のバローロの畑で見るも無惨な畑を見たことがある。
細い小径を間に、右側と左側の畑の違いの異常さに息をのんだ。さすがにマイクロ・クライメット(微気象)のお国だ。雲の加減か、風の具合か何がどうしてこうなったのか、わずかの距離を隔て一つの畑めがけ、ヒョウがぶどうの葉に実に枝に容赦なくふりおろされ、あっという間にぶどうの生命は絶たれる。
葉も、わずかに残った実も、全て黒く変色し生命の気配が完全に消失していた。
ヒョウもこれに目をつけられたら逃げようがないのだが、4月末〜5月上旬にかけての遅霜。これはどこの国も脅威なのだ。
霜に対しての対策としては、畑のあちこちで、灯油をしみこませたおがくずを燃やす。ゆっくりゆっくり火が燃え、煙が出て、この煙がぶどう畑全体に煙の幕として霧を防いでくれる。火を燃やすことにより、ぶどう畑全体の空気に対流が起こり、よどまないため、冷気を散らしてくれる。(ドイツやフランスで古タイヤを燃やし、霜と闘っている海外ニュース見たことない?)
が、畑は広くあちらにもこちらにもあり、防衛隊の人間は夜を徹して対策にあたるのだ。陽が昇るまで戦いは続くのだ。
今年は無事でありますように!順調に育ってくれますように!ただ祈るのみ!
豊田さんからお聞きした良いぶどうを育てるための様々なあの手この手また次回。面白い話たくさんあり(予告・テーマ:子育てとぶどう育ては同じだ)
マダム櫻子




